ウェブを活用して、「もっと集客したいけど、どうすればいいか、何から始めればいいか分からない」とお悩みではありませんか?
あるいは「自社は特殊な業界だから、ウェブは活用できないのではないか…」と思いつつも、「やっぱり活用した方が・・・」と考えてはいませんか?
最近では、製造業におけるマーケティングに、デジタルを活用する企業が増えています。企業の購買担当者も、検索結果の情報をもとに取引先企業を絞る傾向が加速しているためです。
どんな特殊な業界だったとしても、ウェブを活用しなければ今後はどんどん取り残されていく時代になってきています。
しかし、製造業では独自の技術やノウハウの流出を避けたい気持ちからデジタルマーケティングに消極的になり、自社の営業マンを介した従来のスタイルを貫いている企業も見られます。
本記事では、製造業に特化したデジタルマーケティングを専門としている株式会社アイリーラボが、製造業におけるデジタルマーケティングの必要性と活用事例について解説します。自社のビジネスにデジタルマーケティングを導入すべきか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
デジタルマーケティングとは?製造業でも必要なのか?
デジタルマーケティングは、インターネットやIT技術を用いたマーケティング手法です。
従来は不特定多数のユーザーに対し、テレビや雑誌などを介してアンケート調査と情報伝達をするマス・マーケティングが主流でした。
しかし現在では、ユーザーの行動から情報を収集し、リアルタイムで分析しながら、個々にアプローチするデジタルマーケティングが主流です。
製造業においては業界の特性上、デジタルマーケティングの普及が早いとはいえないものの、積極的に取り入れる企業が年々増加しています。
そして、実際に弊社の顧客でもデジタルマーケティングによりお問合せ獲得を数倍にも伸ばし成功している実績が多数あります。
デジタルマーケティングの取り組みが遅れている製造業だからこそ、いち早く取り組んだ企業が勝つと言えます。
時代に取り残され、競合他社に差をつけられないためにも、デジタルマーケティングの導入を検討しましょう。
なぜデジタルマーケティングが製造業に必要なのか?
近年では、企業の担当者が情報収集の際に検索エンジンを用いることがもはや当たり前です。
株式会社メディックスが製品認知のきっかけについて、2019年と2021年を比較するアンケート調査を行った結果を例示します。
製品認知のきっかけは以下の表の通りです。
傾向の変化 | 項目 | 2019年→2021年 |
---|---|---|
増加傾向 | 検索エンジン | 45.0%→57.5% |
Webメディア | 28.5%→31.7% | |
メーカーのホームページ | 18.4%→21.7% | |
減少傾向 | イベント | 29.8%→26.4% |
セミナー | 18.6%→16.9% |
自社製品の認知度を上げるためにはオフライン施策だけでなく、オンライン施策も取り入れていくことが、生き残るために重要です。
また、オフラインでの顧客との接点においてもデジタルマーケティングは有効です。
例えば名刺に書かれたメールを顧客データベースに追加し、定期的にメルマガを送って認知・興味を持ってもらうことも、売上を上げるための有効なデジタルマーケティング戦略です。
オンライン・オフライン施策を組み合わせてデジタルマーケティングに取り組みましょう。
製造業でデジタルマーケティングを連鎖させる4つの施策
製造業のデジタルマーケティングでは、以下のような流れが一般的です。
- 検索やWEB広告で自社サイトに誘導する
- 自社サイトに流入したユーザーに資料ダウンロードやサンプル請求をいただきメールアドレスや会社名などの情報を得る
- いただいたアドレスにメルマガを配信し、自社への認知・興味を持ってもらう
- 顧客に需要が発生した時に、自社が第一想起となり、商談化、売上げとなる
上記1~4の流れで売上を作っていくことが、デジタルマーケティングの王道戦略となります。
1.ホームページを最大限に活用する
デジタルマーケティングでホームページの活用は欠かせません。
製造業のホームページでは顧客の持つ悩みや課題を、自社の技術や製品を使ってどう解決できるか?を見せる事が大切です。
お客様は
「この会社に頼むことで、自分の課題は解決されるのか?」
ということに興味がありますので、製品事例、課題解決事例、解決できる理由となる自社の技術などをホームページに記載しましょう。
また、ホームページを見つけてもらうためのSEO対策は必須です。
タイトルタグに狙ったキーワードが含まれているか、h1タグ、h2タグなどの見出しタグが適切に使われているか。1ページ1検索意図で作られているか、などホームページを作るうえで基本的なSEO対策は行っておきましょう。
会社名だけでなく、自社の顧客が検索で使いそうなキーワードをタイトルに含めることが重要です。
例えば金属加工の会社「〇〇精工株式会社」であれば、会社のページタイトルは「〇〇精工株式会社」だけでなく「長野県の精密板金・塗装の〇〇精工株式会社」まで書いた方が良いでしょう。
これによって、長野県 精密板金 などのキーワードも拾えるようになります。
よほどの大企業でない限り、世の中のほとんどの人はあなたの会社を知らないので、会社名で検索する人は限られた既存顧客が多いと推測できます。
しかし、「長野県 精密板金」や、「長野県 板金塗装」といったキーワードでも検索エンジンに露出が多くできていれば、より多くのアクセスを生む事が見込めます。
2.ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、お客様に役立つ情報や自社のノウハウをまとめた資料のことです。
御社のお客様からよく聞かれる悩みや、課題の解決方法を資料にまとめて、ホームページからダウンロードできるようにしておきます。
資料のダウンロードと引き換えに、「会社名」・「お名前」・「メールアドレス」などを入力してもらうことで、営業マンが接触できるきっかけを得ることができるようになります。
また、得られたリード情報はMAやSFAなどのツールに自動で登録されるようにしておくと、メールマーケティングに活用できたり、スコアリングをしてニーズを検知できたりします。
メールマーケティングなどで定期的に接触を図っていれば、お客様にニーズが発生した時に第一想起を得ることができます。
その結果、商談につながりやすくなっていくのです。
このようにホワイトペーパーで接点を持った見込み顧客に対し、営業活動やセミナーへの参加促進などを通じて、接点を持ち続けておくことが成果への近道となります。
3.LP(ランディングページ)制作
LPは提供する製品サービス・提供技術の販売にテーマを絞り、リード情報の獲得に特化したページです。
ホームページは幅広い情報提供を目的としているのに対し、LPはリスティングなどのWEB広告、SNSやメールマガジンなどからの流入を前提として制作されています。
LPのメリットとデメリットをそれぞれ確認しましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
訴求内容ごとにページを作れる | ページ当たりの制作費用が高い |
情報を限定することで離脱を防げる | SNSや広告とセット運用のためランニングコストが高い |
ユーザーの興味関心に合わせて作るため成約率が高い | 興味を引けないと離脱が早い |
LPの活用は運用難易度が高いものの、成約につなげやすい重要な施策といえるでしょう。自社製品を持つメーカーやtoC向けの製品を売り出したい企業はLP制作を積極的に行いましょう。
4.メールマーケティング
ホワイトペーパーをダウンロードして下さったお客様や、展示会などで名刺をいただいたお客様はメルマガに登録し、定期的にメール配信を行いましょう。
メールマーケティングはほかの施策に比べると導入の難易度が低いものの、非常に有用です。メールの開封率やサイト訪問の履歴などのデータを収集し、次の一手に活かします。
手法と特徴は、以下の通りです。
種類 | 特徴 |
---|---|
メールマガジン | 新製品やキャンペーンの案内などを登録者全員に送付する |
ターゲティングメール | 性別や年齢などの情報から必要としている人に最適なコンテンツを送付する |
リターゲティングメール | 途中まで行動した顧客に対し再度行動を促す目的で送付する |
休眠発掘メール | 一定期間アクションがない登録者に対して活動再開を促す目的で送付する |
導入の難易度が低い施策なので、有効活用しましょう。
5.SEO対策
SEO対策では、自社ホームページやLPへの訪問増加が期待できます。難易度は高いですが、訪問回数が増えればユーザーに製品やサービスを知ってもらえるメリットがあります。
SEO対策の具体的な取り組みは、以下のとおりです。
- ターゲットとなるユーザーが検索しているキーワードから必要な記事を作成する
- 検索したユーザーが読みたくなるように記事の説明文を工夫する
- 魅力的な記事タイトルや見出しを設定する
- 制作した記事同士をリンクでつなぎ、多くの記事を見てもらえるよう工夫する
- 定期的に記事に修正を加えて情報をアップデートする
ユーザーがクリックしたくなる工夫を施し、有益な情報を発信することで、ホームページが有益だと評価されると検索時に上位表示されて訪問増加につながります。
6. リスティング広告
検索した時に、「広告」や「スポンサー」と書いてある検索結果が表示されているのを見たことはありますか?この表示があるものは有料で枠を確保しているリスティング広告になります。
広告費を払って、指定したキーワードで検索上位に表示させる施策です。
新製品の販売初期や集客に即効性を求める場合は非常に効果的です。
少額の予算から簡単に始められ、不要であればすぐにやめられます。
リスティング広告の特徴は下記の4つです。
- アプローチしたいユーザーを選定できる
- 曜日・時間をターゲティングできる
- 広告効果が可視化できて効果検証しやすい
- テストマーケティングにも役立つ
デジタルマーケティングを行う上で、アプローチしたい層に絞り込めれば無駄を減らせるでしょう。広告効果を検証して次回に反映し、精度を高めていけば、コストを減らせるのも魅力的です。
7.SNS施策
製造業でSNSを活用できている企業がまだまだ少ないのが現状です。
製品の紹介をSNSで行い、潜在顧客を集めるという使い方が主に想定されますが、売上目的だけではなく、新人採用の目的でInstaglamを活用する企業も増えています。SNSは個人のターゲティングも高い精度で可能ですので、製品やサービスによってはSNS広告が有効な場合もあります。
製造業のデジタルマーケティングを挫折に追い込む3つの課題
多くの業界でデジタルマーケティングが普及するなかで、製造業においては導入が遅れている現状があります。
具体的には下記3つの課題があるからです。
- 専門知識が必要なホームページ運用
- 情報開示が難しい機密事項
- 従来の手法への固執
それぞれ、詳しく解説します。
1.専門知識が必要なホームページ運用
製造業において、デジタルマーケティングが普及しない主な理由は、社内でのホームページ運用に専門知識が必要だからです。
株式会社タナベコンサルティンググループのマーケティング・プロモーションに関するアンケートによると、デジタルマーケティングを行う部署やチーム・人材が限られていることが示されました。
出典:株式会社タナベコンサルティンググループのアンケート結果
デジタルマーケティングに取り組むうえで、ホームページの運用は避けられません。理想をいえばtoBが基本の製造業においては、外部の運用担当者にも業界知識があると理想的でしょう。
自社内での運用が難しい場合は、製造業に詳しい外部業者に委託するのも一つの手段です。
2.情報開示が難しい
製造業では機密事項が多い点も、普及しない理由として挙げられます。
技術力が差別化の一つとなるからこそ、ホームページで情報をオープンにしていないケースが多いのです。
しかし近年では、取引先も連絡前にWeb上でリサーチしている場合が多いため、全く情報発信をしなければ商談の機会を逃す恐れがあります。
機密情報は非公開のまま、問合せにつながりそうな情報のみ公開するなどの工夫が必要です。機密情報に関しては情報管理ガイドラインを策定するなど、社内規定を整えておくのがよいでしょう。
3.従来の手法への固執
従来の手法への固執もデジタルマーケティングの普及を妨げています。
既存顧客で十分な売上が成り立っている場合、多くの従業員は現状を変える理由を見いだせないでしょう。
また、新たに人件費をかける余裕がないとデジタルマーケティングが浸透せず、いつまでも社内での優先順位が低い状態が続きます。
また自分の業種・業界は特殊だからデジタルから距離をおくというスタンスも製造業には多く見られます。
特に年齢層も高い町の中小製造業だと、デジタルだととっつきにくい感じがして拒絶する、という傾向があります。
しかし、企業の購買担当者は従来の展示会よりも、検索で調べることの方が多くなってきています。
デジタルマーケティングに取り組まないことのリスクを認識しましょう。デジタルを活用しなければ、競合はどんどん先に進んでいってしまいます。
製造業のデジタルマーケティングを後押しする3つのツール
製造業でデジタルマーケティングを後押しするツールには、下記の2つがあります。
- マーケティングオートメーション(MA)
- アクセス解析ツール
オフラインでの活動が必要な製造業において、オンラインとオフラインを橋渡ししてくれるツールもあります。
早速、詳細を確認していきましょう。
1.マーケティングオートメーション(MA)
デジタルマーケティングに取り組む製造業は、マーケティングオートメーションツール(MAツール)を入れることをおすすめします。
MAツールとは、顧客の見込み度合いを可視化して適切なタイミングでアプローチするためのツールです。
例えば、Aという顧客がどのページからホワイトペーパーをダウンロードしたのか、Aはどのページを今見ているのか、Aがメルマガリンク踏んでくれているのか、などをMAツールはデータとして残してくれます。
そして「Aさんは今関心高そうですよ!Aさんに今営業掛けたら売れそうですよ!」というのを自動で判定して教えてくれます
このように、MAツールがどのお客が「今アツイ」のかを教えてくれるので、営業活動が非常に楽になります。
2.アクセス解析ツール
アクセス解析ツールはホームページを運用するうえで、必要不可欠なツールです。
ホームページを訪れたユーザーの動きを把握し、課題を見つけるのに役立ちます。
解析可能な数値
- ユーザー数:ホームページを訪れたユーザーの数
- セッション数:ユーザーがアクセスした数
- ページビュー数:ページごとに閲覧された数
- 離脱率:ページから離脱したユーザーの割合
- コンバージョン数:問合せや申し込みなどが実行された数
それぞれの数値を解析し、課題を修正していくことで、問合せや申し込みにつなげます。
デジタルマーケティングの成功事例
製造業がデジタルマーケティングを活用して、成功した事例について紹介します。
弊社、アイリーラボが従業員50名規模の機械商社にて、ホームページのリニューアルとWeb運用コンサルティングを実施しました。
ホームページ公開前は訪問営業に特化して活動していましたが、 ホームページ制作後2年間の運用を通じて、売上を約4倍(1,400万円→4,900万円)に伸ばすことに成功しました。
また、販売エリアも県内から、全国に広がった成功事例です。
製造業がデジタルマーケティングを用いることで、営業だけでは達成できない成果に結びつけられます。
詳しくは『アイリーラボの成果事例』で紹介しているので、ぜひご覧ください。
製造業が競合に差をつけるデジタルマーケティング
近年は、製造業でもデジタルマーケティングが不可欠になりました。以上に示した一連の購買行動のなかで、顧客は商談前に情報収集を終えています。
お客様にとって有益な情報発信を行い、関係性を構築できるとよりスムーズな商談につなげられます。
競合他社と差をつけるためにも、デジタルマーケティングを取り入れていきましょう。
投稿者プロフィール
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株式会社アイリーラボのアシスタントディレクター・コーダーとして、日々マーケティングやプログラミング、ツールの勉強に取り組んでいます。
中小・製造業企業様のサイト制作・運用をしていく中で得られた知見を情報発信していきます。
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