Webサイトの目標設定は最終目的である「売上げ」から逆算で考える
製造業などのBtoBホームページでのゴールは「お問い合わせ」や「見積り依頼」など見込み顧客のリード獲得であり、
ECサイトのようにホームページ上で決済し売上げが立つわけではありません。
獲得したリードに対してその後の営業活動を経て売上げに結びついたり、あるいは失注することもあります。
大まかなプロセスとしては、
という流れ。
なので、
というように、目標売上から逆算し受注率や商談率、想定顧客単価(想定LTV)を当てはめ、必要なアクセス数、コンバージョン数(率)を設定するという流れが良いでしょう。
逆算で目標設定すべき理由
-
- お問い合わせ=売上げ発生でない
- 製造業BtoBビジネスの多くはホームページからのお問い合わせ獲得(コンバージョン数)というのは途中経過の数に過ぎず、売上げとして計上されるのはその後の商談など営業活動を経て受注・売上げとなります。
その過程で見込み顧客が離脱することもありその一定の離脱率・受注率を加味した目標設定が必要です。
-
- BtoBマーケティング全体を把握することができる
- 上記で述べたように、Webコンバージョン+その後の営業活動というプロセスを捉えて考えることで、自社ビジネスのマーケティング活動全体を考えるきっかけになります。
例えば受注率の把握をすることで自社の受注率の低さを認識し対策を検討するきっかけになる、などです。
-
- より成果にこだわったWeb運用ができる
- 多くの企業のWebサイトの運用目的は新規顧客開拓と売上げを向上するためにあります。
よくある相談で「アクセスを増やしたい」「お問い合わせがない」など漠然として挙げられますが、具体的な数値まで落とし込んで目標を設定することで、定量的に成果を追及していくことができます。
-
- 現状と目標のギャップを把握することができる
- なによりも目標が数値的にはっきり見えて現状とどの程度ギャップがあるかがわかることで、打ち手が考えられます。
具体的な戦略と戦術をどのように立案するかはギャップによります。
費用をかける場面において戦略とその成果を測れないのにお金をかけるのはギャンブルと一緒です。もしかすると、リニューアルしなくても改善や運用だけで目標を達成することも可能かもしれません。
目標設定の例
それでは目標設定の計算方法を見てみましょう。
- 目標設定期間
- 1年間
- 目標売上金額
(Webからの新規取引) - 3,000万円
- 想定顧客単価
- 50万円
以上の情報からWebアクセス数とWebコンバージョン数(率)の目標設定を行います。
よくある質問「製造業において顧客単価はバラバラで固定設定できない」
決まった製品を売っているわけではないので客単価は決まっていない、わからないがどうすれば良いか?
と疑問が湧くかもしれません。
想定する顧客単価についての設定例は
- 取引先1社あたりの年間取引金額
- 過去の新規取引の平均金額
- 蓄積しながら想定単価を変更していく
などが挙げられます。
様々な情報から想定顧客単価が見積もれるかと思いますが、正確な金額は絶対に出せないものだと認識し、
新規受注の実績を加味しながら運用の中で見直していくのが良いです。
1.売上目標達成のための受注数を計算
3,000万円 = 50万円 X 購入数
購入数 = 3,000万円 / 50万円 = 60件
以上から、60件の受注が必要だということがわかります。
2.商談から受注までの決定率、受注率から必要な商談数を計算
受注率は大きく変わりませんが、これまでの実績から提案や見積り提示して実際に受注できる割合から設定します。
はじめは、社内で受注率を把握できていないかもしれませんが実際に見積り業務を行っている営業部門と相談し、
現状の受注率を把握し、想定するもので構いません。
ここでは仮に受注率25%と設定します。ちなみにBtoB(SaaSビジネス)の受注率は30%以下に落ち着くという情報もあります。
60件 = 商談数 X 25%
目標商談数 = 240件
3.コンバージョンから商談化する商談率をもとに必要なコンバージョン数を計算
商談化の定義は各社取り扱っている製品やサービスによって考え方が変わるかもしれません。
想定する商談としては、見積り提示や提案訪問など営業がアプローチして金額提示まで行くもので、
逆にお問い合わせ内容を見てお断りするような案件などは商談不成立となります。
それらを定義した上でホームページからのお問い合わせのうちどの程度の割合で商談につながるかをもとに
商談化率を定義します。ここでも実際の数値を把握できていなければ想定で構いません。
ここでは、商談化率を60%として設定しました。
240 = コンバージョン数 X 60%
目標コンバージョン数 = 400
ここまでで、目標売上げを達成するには400件のお問い合わせが必要ということが想定できました。
ここで初めてホームページの目標設定に取りかかれます。
4.コンバージョン数からアクセス数とコンバージョン率を計算し目標設定する
コンバージョン率については、現状のホームページの実績から計算するのでも良いですが、
そもそも現状お問い合わせが無いという企業も多いです。
製造業BtoBでのコンバージョン率は一般的に0.3%~2%くらいの幅が当社での実績値です。
最低目標ラインとして0.5%くらいはほしいところ、もっと高い目標としては1%オーバーを目指したいところです。
仮にコンバージョン率0.5%と1%の場合で計算してみます。
1.コンバージョン率0.5%の場合
目標アクセス数 = 80,000
2.コンバージョン率1%の場合
目標アクセス数 = 40,000
Webサイトの年間目標設定
上記の逆算により、Webサイトの目標が決まりました。コンバージョン率は、ホームページの現状、あるいはリニューアルしてから計測しなくてはわからない場合も多いので、2パターンを想定しました。
-
- パターン1
-
- アクセス数:80,000
- コンバージョン数:400
- コンバージョン率:0.5%
-
- パターン2
-
- アクセス数:40,000
- コンバージョン数:400
- コンバージョン率:1%
この数値が現状と比較してより現実的な数値か?の判断が必要です。
計算が正しくても現実離れしていては達成不可能な目標になってしまいます。
まとめ
製造業BtoBのホームページの場合、お問い合わせ獲得後の受注までのプロセスも併せて検証することで具体的な目標設定が可能となります。
ただ漠然とお問い合わせを増やしたいというだけでは不十分で、BtoBビジネス全体を捉えてホームページの目標を定め、そのためのギャップを埋めることがリニューアルであったり、Web運用といったプロセスになります。
ホームページリニューアルの際に費用対効果という言葉をよく聞きますが、このあたりの検証作業を事前に行うことでそれは解決できるのではないでしょうか。
また、ホームページに対してどの程度の投資を行うことが適切なのかの判断材料にもできますのでおすすめです。
しっかりと現状と目標のギャップを把握し、ギャップを埋める適切な施策に投資するために目標設定を行ってみてください。
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今回紹介した目標設定診断をはじめホームページ制作や運用など、御社のWebマーケティングに関する課題解決のお手伝いをいたします。
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