製造業のLP制作を成功させる方法を解説

LP(ランディングページ)を使って、自社の製品やサービスを売っていきたい、見込み客を獲得したいとお考えではありませんか?

最近ではBtoB・製造業でもLPを活用して集客し、自社製品の購買につなげているケースが増えています。しかし、LPを制作しただけでは集客に大きな影響を期待することは難しいのが実際のところです。
ランディングページ
LPをどのように活用し、売上を伸ばしていけばいいのか、本記事では、BtoB・製造業の企業がLPを使って成果を上げるための具体的なLP制作と集客のポイントを解説します。

LP制作のコツ

会議

LPを制作する際のコツについてお伝えします。

ターゲットを明確にする

製造業のランディングページ(LP)を効果的にするためには、ターゲット顧客を明確に設定することが最も重要です。誰に向けてこのLPを作っているのかを具体的に把握し、顧客が抱えている課題やニーズに直接応えるコンテンツを提供する必要があります。

例えば、金属の切削加工を行っている会社がLPを作る場合を想定します。LPのターゲットとしては、加工された部品を組み込み、完成品を製造しているメーカーとします。

以下のようなターゲット設定が考えられます。

  • 高精度な切削部品が必要であるが、現状のサプライヤーでは精度や納期に満足できない
  • 組み立てラインの品質を向上させるため、精密な部品加工ができる業者を探している
  • 切削加工の外注業者に依頼しているが、不良品や精度のばらつきが発生している
  • 最新の切削技術を採用しているサプライヤーとの取引を希望しているが、信頼できる企業が見つからない

こうしたターゲット層が具体的にどのような課題に直面しているかを理解した上で、その解決策として自社の製品やサービスをどのように提供できるかを明確に伝えることが大切です。

例えば、

  • 精密切削技術の導入で、部品の精度と品質を向上させる
  • 短納期・高品質な切削部品の提供により、組み立てラインの生産効率を向上させる
  • 最新の切削機械を使用し、複雑な形状や高精度な加工にも対応

といったメッセージが、顧客のニーズに応える内容です。

さらに、ターゲットが製造業の技術者や経営層など、専門的な知識を持っている場合は、詳細な技術情報や事例を含めることも効果的です。逆に、製造業界に不慣れな担当者をターゲットにする場合は、専門用語を避け、簡潔でわかりやすい説明を心がけることが重要です。

価値提案を強調する

製造業のランディングページ(LP)では、他社と差別化するために、自社独自の価値提案(USP: Unique Selling Proposition)を明確に伝えることが重要です。ターゲット顧客が直面している課題を解決するために、自社の製品やサービスがどのように役立つかを具体的に示しましょう。

価値提案を強調するためには、次のポイントを押さえることが必要です。

  • 他社では提供できない独自の精密切削技術や加工ノウハウ
  • 製品やサービスがもたらす具体的な効果(生産効率の向上、コスト削減など)
  • 過去の成功事例や実績を通じて、信頼性を高める

たとえば、以下のような価値提案が効果的です。

  • ミクロン単位の精度を実現する最新切削技術で、複雑な形状加工にも対応
  • 加工スピードを従来比1.5倍にし、短納期かつ高品質な部品を提供
  • 航空機や自動車産業など、要求の厳しい業界での実績あり

これらのメッセージは、顧客が期待する結果にフォーカスし、自社の製品やサービスがもたらす具体的な利益を強調します。特に製造業では、技術的なメリットやコストパフォーマンスの向上をはっきりと示すことで、顧客に選ばれる可能性が高まります。

また、価値提案を伝える際には、視覚的な要素(グラフや数値データ、ビフォーアフターの事例など)を使うことで、より説得力を高めることができます。

CTA(Call to Action)を明確に

製造業のランディングページ(LP)では、ユーザーに次のアクションを促すCTA(Call to Action)が重要な要素です。CTAが明確でないと、せっかく興味を持ったユーザーがどのような行動を取ればいいのか分からず、離脱してしまう可能性があります。

CTAを明確にするためには、以下のポイントを押さえましょう。

アクションを具体的に伝える
CTAボタンには具体的な行動を促すテキストを使います。「今すぐダウンロード」「無料サンプルを請求する」「お問い合わせはこちら」など、ユーザーにどんなアクションをして欲しいかを一目で理解できるようにします。
視覚的に目立たせる
CTAボタンは、他のコンテンツに埋もれないように、ページ全体のデザインやカラーとは異なる色や大きさで強調します。一般的にはCTAのボタンはメインカラーとは反対色にすることが多いです。例えば、LPが青基調ならボタンをオレンジにすると目立ちます。また、CTAの位置は、ユーザーの視線を自然に誘導する場所(たとえばスクロールせずに見える部分)に配置しましょう。
行動のメリットを強調する
CTAボタンのすぐそばに、そのアクションを取ることで得られる具体的なメリットを伝える短い説明文を追加すると効果的です。「無料で技術資料をダウンロード」「短期間での試作品提供可能」など、ユーザーが行動を起こす動機を与えます。
複数のCTAを用意する
製造業のLPでは、ホワイトペーパーのダウンロード、問い合わせ、見積もり依頼など、複数の行動を促すことが多いため、ページ内に複数のCTAを設置することも効果的です。ただし、どのCTAが最も重要かは、ユーザーにとって分かりやすく区別する必要があります。

CTAを明確にすることで、ユーザーが次に取るべき行動がはっきりし、コンバージョン率の向上が期待できます。特に製造業のBtoB取引では、情報の収集や商談の第一歩として、資料請求やお問い合わせがCTAの中心になるため、戦略的な配置と明確なメッセージが求められます。

売れるロジックの流れに沿って制作する

ターゲットに刺さるLPを制作するためには、ただコンテンツを並べるだけでなく、どういった内容をLPのどの順に並べるかの、ロジック検討が必要です。効果的なロジックの一つの例として、

  1. 結果
  2. 実証
  3. 信頼
  4. 安心
  5. 行動・クロージング

というロジックがあります。LPの構成は、上記の流れに沿ってコンテンツを設計することで、顧客の信頼を得て、最終的な行動(コンバージョン)につなげることができます。それぞれ説明します。

1. 結果

お客様はファーストビューを見て3秒以内に有益な情報であるかを判断するといわれているため、まず最初に自分が求めている情報があると思わせる必要があります。ページを開いてすぐにお客様が得られる魅力的な「結果」を提示します。

顧客がLPで訴求されたサービスや製品を採用することで、どのようなメリットを得られるのかを明確に示すことで、期待感を持たせます。

例えば、「±0.01mmの精度を実現。超精密加工で組み立て時の製造効率が25%向上、不良率30%低減を実現」といった具体的な結果を提示します。

また、ファーストビューにはCTAも設置しましょう。

2. 実証

冒頭で見せた結果が何故実現できるのかという根拠を示します。技術的な裏付けや導入事例など、実績に基づく証拠を提示することで、信頼性を高めます。

例えば、「熟練のエンジニアと、最新の機械による完全自動化によって精密な加工を実現。」といった結果を実現できる理由を説明します。

3. 信頼

自社の信頼性を伝えます。企業としての信頼性や、提供する解決策が確かなものであることを証明する要素を加えることで、顧客が安心して次のステップに進むことができます。

例えば、「当社は精密切削加工業界で50年以上の実績があります。」「大手〇〇企業との取引実績があります」「ISO9001認証取得済み」といった実績をアピールし社会的に信頼性が高い会社だという印象を与える情報を提示します。

4. 安心

Q&Aやサポート体制、品質管理の情報を提供し、顧客の購入時の不安を払拭します。

顧客が「この会社なら発注後も安心できる」と感じるための保証を提供することがポイントです。

例えば、「導入後も継続的なメンテナンスと技術サポートを提供しており、問題が発生した際には迅速に対応します」といった安心感を与える説明をします。また、お客様の声も効果的な安心材料となります。

5. 行動

最後に、顧客に次のアクションを促します。資料請求やお問い合わせ、または具体的なオファーを提示し、顧客が行動を起こしやすい環境を整えます。

例えば、

「今すぐ当社の精密切削加工サービスの詳細資料をダウンロードし、貴社の生産性を向上させる方法をご確認ください」

「無料相談も受け付けています。お気軽にお問い合わせください」

といった明確な行動喚起を行います。

上記のような流れを踏まえてLPを構成することで、ターゲット顧客に訴求力のあるランディングページを作成し、売上や問い合わせの増加に繋げることができます。

ユーザー行動を促すためのヒートマップ分析

ページ内でユーザーがどこに滞在して離脱しているのかを確認するためには、ヒートマップの使用が有効です。

ヒートマップとは、Webサイトを見たユーザーがどこに興味を持っているのかを把握するためのツールです。

下図は弊社サイトのヒートマップの一例です。

アイリーラボ ヒートマップ

ヒートマップを活用すれば、お客様の好みを細かく視覚化できるため、どのようにLPを改善すればニーズを満たせるのかが理解しやすくなります。

特にファーストビューやCTA周りの改善に役立ちます。

無料で使えるヒートマップとして、Microsoft Clariityを弊社では活用しています。Microsoft Clariityは、以下の4つの機能が使用できるユーザー行動分析ツールです。

  • ダッシュボードでのサイト分析
  • ヒートマップでのユーザーの行動の可視化
  • セッションレコーディングでユーザーの行動分析
  • Google Analyticsとの連携

上記のようにMicrosoft Clarityでは、ヒートマップ以外の機能をも活用できるため、より正確にお客様が離脱しないためのLP制作のサポートができます。

LP制作後は、効率的にユーザー行動を促すためのヒートマップ分析をし、改善を続けます。

LPだけでは集客できない!集客施策とセットで考えよう

ネットワーク

多くの担当者が「良いLPが出来れば効果が出る」と考える傾向にありますが、LPを使って売上を拡大するためには、LPへの集客やチャネル戦略をセットで考えなければなりません。

LPとは、特定の商品やサービスを紹介することに特化して制作されたページを指します。

LPは顧客への購買や、メールアドレス登録などを促すキラーページとなります。しかしLP自体には集客力があまりなく、SEOでも上位表示しにくい傾向があります。従って、LPへのアクセスをいかに呼び込むかが重要になってきます。

LPへの集客の具体的な施策

LPで成果を出すにはLPの構成だけでなく、集客手段の検討が必要です。リスティング広告やオウンドメディア、SNS、SNS広告、などLPに適した集客手段を考え、ターゲットに最適な導線を検討しましょう。

リスティング広告

リスティング広告例

リスティング広告とは、上記のように検索した際に上位に出てくる「スポンサー」と出てくる検索広告のことです。

リスティング広告は、購買意欲の高いユーザーへLPを露出させるので、即効性のある成果を期待できます。

キーワード毎に1クリックの単価が決まっていますが、広告にかける費用は自分で上限を決めることができます。また、特定のキーワードに絞って露出させることができるので、広告の無駄打ちを抑えながら集客をすることが可能です。

SNS広告

SNS広告はターゲティングが細かく設定できるため、商品やサービスを購入してほしいお客様に広告が届きやすいです。ただし熱量は低めとなります。

 

このように、それぞれの集客施策のメリットやデメリットを加味したうえで、どの方法を組み合わせるべきかリソース状況を踏まえて検討しましょう。

ユーザーマインドに応じたLPの最適化

顧客のマインド、熱量は上図のように、

  • まだ悩みを持っていない潜在層
  • 悩みはあるが解決策は不明な準顕在層
  • 悩みを解決したい顕在層
  • 特定の技術や製品を使いたい明確層

に分けられます。

このマインド、お客様の購入に対する熱量を考慮し、広告媒体とLPをうまく連動させる必要があります。ターゲットのマインドにより、出稿する広告媒体や、マインドに沿ったLPの構成は変わってきますので、綿密に設計する必要があります。

リスティング広告や、業界ポータルサイトからの集客の場合、積極的に情報収集している顕在層〜明確層の人たちがターゲットとなります。こういった熱量が高い人には、売り込み色の強い訴求内容にしても問題ありません。LPのゴールとしてお問い合わせやカタログダウンロード、サービス資料や料金表のダウンロードなど、具体的な資料にするとよいでしょう。

SNS広告などのディスプレイ広告では、潜在顧客で悩みに気づいていない段階の人たちが集まりやすいです。売り込みよりも、まずは認知し興味を持ってもらうための資料ダウンロードを目標としたLP設計にする配慮が必要です。

リスティング広告でもキーワードにより訴求を変えられればベスト

検索広告の場合は、様々なキーワードの流入が考えられます。キーワードごとにLPも最適化する方が望ましいです。

例えば金属加工業者ならば、「曲げ加工」と言う検索に対しては「曲げ加工」を前面に打ち出したLPに。「切断加工」という検索に対しては「切断加工」を前面に打ち出したLPを表示させるのが理想です。

とはいえLP制作には費用もかかるので、「金属加工」のLPで、「曲げ加工」「切断加工」両方のキーワードを対応させるということも、費用面を考慮すると現実的な落としどころになるかもしれません。

ユーザーの深層心理が違うことを前提に考えたうえで、LPの内容も最適化を検討することが大切です。

具体的な成功事例:アイリーラボのLP制作実績

ここでは、アイリ―ラボが過去に製作したLP実績を2つ紹介します。

  • 画像検査ソフト「gLupe」(株式会社システム計画研究所様)
  • 家庭用小型乾燥機「カラット」(株式会社イツミ様)

株式会社システム計画研究所様の事例

株式会社システム計画研究所様の開発された「gLupe」は、AIを使った外観検査を可能とする画像検査ソフトです。

アイリーラボへのご相談前は社内お手製のLPを作り、公開しておりましたが、なかなかLP経由での問い合わせが伸びずお困りでした。

製品力は高く、認知を獲得して導入テストまでできれば購入につながる可能性は高い状態でしたので、LPのリニューアルとリスティング広告の運用を実施しました。

画像検査ソフトは競合が多いため、リスティング広告の運用やLPの内容で他社に負けない工夫が必要でした。

LP制作をする際は、資料ダウンロードや無料デモ検証などのコンタクトポイントを設け、リードの獲得につなげました。

また、見込み顧客がすぐに資料請求できるようにフォームをファーストビューに設けています。さらにこれまでの製造業の実績をアピールするとともに、活用事例で具体的な課題解決の様子まで明示しました。

現在も当社にてリスティング広告運用のサポートを続けており、リニューアル前は月平均5
件であったCVRが、リニューアル後は月平均28件に伸びるなど、着実に成果が出ています。

家庭用小型乾燥機「カラット」(株式会社イツミ様)の事例

株式会社イツミ様は、業務用クリーニング機器のメーカーとして、業界ではトップシェアを誇る製品をいくつも開発されています。

アイリーラボでは、家庭用乾燥機の市場に打って出るために開発された「カラット」のLP制作を行いました。

同製品は家庭用としての用途だけではなく、保育園や寮、宿泊施設などへの導入も視野に入れて開発されています。

「家庭用」という新規市場を狙う製品だったため、初動のスピード感と、今までの顧客とは違うユーザーの集客が必要でした。
そのため、個人ユーザーの多いYahoo広告を中心にリスティング広告を活用し、徐々にアクセスを伸ばしていきました。
検討の浅いユーザー向けのカタログダウンロードと、具体的な設置に向けての相談をもらうためのお問い合わせフォームを設置し、LPのどこにいてもすぐにフォームへ到達できるように導線を組んでいます。
お客様からのお問い合わせやヒートマップツールを元に、より興味の持たれる情報を追加したりと、改善を続けています。

2年以上の運用の中で、公開直後は100セッション/月だったアクセスが現在では10倍以上に伸びており、CV(コンバージョン)も毎月10件前後取れています。

まとめ:LP制作を成功に導くためには

LP制作をして得られる成果は、広告や他の集客チャネルとの連携が左右します。集客チャネルにはリスティング広告やSNS広告、オウンドメディアなどがありますが、それぞれのメリットを把握したうえでどの方法を用いて集客すべきか判断してください。

どの施策を用いるのが最も良いか、その戦略策定についてもアイリーラボのマーケティング調査にて行っておりますのでお任せください。

また、流入経路ごとに異なるユーザーのニーズに応じて、LPやCTAの内容を変化させることでCVR率を向上させられます。本記事で紹介した成功事例を参考にし、どんなLP制作をしたいのかを決定しましょう。

もしLP制作をご検討であれば、アイリ―ラボにお任せください。そもそも本当にLPが最適な施策なのか?他にもっと良い手があるのではないか?その根本的な戦略策定から、アイリーラボでは行っております。まずはアイリ―ラボの資料をダウンロードして、より詳しい情報を確認してください。

投稿者プロフィール

アイリーラボ編集部

アイリーラボ編集部
主に製造業の企業様を対象に、BtoB特化型のWEBコンサルを行っております。広告運用、SEO、メールマーケティング等のデジタルマーケティングはお任せください。顧客獲得を目的としたWEB制作も行っており、クライアントの売上拡大に貢献しています。

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